薩摩いろは歌(島津日新公いろは歌)のま
万能も一心とあり事ふるに身ばしたのむな思案堪忍
「万能一心とあるように、自分の能力の高さを驕り高ぶってはいけない。常に思いを巡らせ、耐え忍ぶことが重要である。」
あらゆる能力に長けて万能であっても、その心根が悪ければ意味がありません。
さらに言うと、能力が高く、心根が悪ければ、逆に悪の大きさが大きくなってしまうこともあります。
能力が高い人は、自分の能力を鼻にかけて傲慢になるのではなく、常に思慮深く考え、耐え忍ぶ態度が必要であります。
能力が高く、謙虚で人の話に耳を傾け、常に努力を怠らない人は、周りの協力も得られた上で、さらに大きな仕事ができるようになるのです。
得てして人は、能力が高まってくると、他人を見下し、自分が偉くなったような錯覚に陥ります。
しかし、自分の能力が高くなっても、人としては何も変わらないのです。
ここで勘違いをすると、周りの人の協力が得られなくなり、仕事がうまく回らなくなってきてしまいます。
自分の能力を高めると同時に、自分の心も高めなければ、仕事はうまく回らないのです。
また、能力の高い人が悪いことを考えると、その悪さはとてつもなく大きな悪になってしまいます。
世の中の犯罪ニュースを聞いていると、それだけ優秀なら、もっと世のため人のために使えば、自分も幸せになれただろうにと思うようなことがたくさんあります。
自分が努力して手に入れた高い能力ではありますが、その高い能力は世のため人のために使用してこそ、価値ある能力だと思います。
心に留めておきたいことです。