薩摩いろは歌(島津日新公いろは歌)のり
理も法も立たぬ世ぞとてひきやすき心の駒の行くにまかすな
「道理も通らず、法も守られない世の中だからと言って、安易に自分の欲求のままに行動を起こしてはならない。」
道理も通らず、法も守られないような乱世にあっても、自分自身は身を潔白にし、世の中と同じように、易きに流れやすい人間の欲望のままに行動してはいけません。
とかく乱世では、人間の理性よりも欲望が打ち勝ち、道理も通らなければ、法も守られない、無法状態になってしまいがちです。
だからといって、自分自身も同様に欲望のままに行動してはいけないことを戒めています。
人間は、どんな世の中であっても、自分の良心に従い行動すべきで、安易に自分の欲望に任せてはいけません。
この歌は、戦国時代のような乱世を考えて作られた歌だと思いますが、現代にも相通じるものがあると思います。
例えばバブル期は、濡れ手で粟のように、株や土地で資産を増やすことができました。
しかし、安易に金儲けができるからと言って、資産を膨らますことに注力し続けたことで、バブル崩壊期には大きな損害を抱える人が多く発生しました。
一方で、バブルとは関係なく、楽してお金を稼ごうという、欲望に負けず、額に汗して、コツコツ働いていた人にとっては、バブルの崩壊も関係ありませんでした。
お金儲けは悪いことではありません。
しかし、お金儲けの方法が悪ければ、長続きはせず、いつかは崩壊していってしまうのです。
世のため、人のために働いて、その結果巨額の富を手にした人に悪い人はいないと思います。
常に何が正しいかを判断基準にて、清く正しく行動していきたいと思います。