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薩摩いろは歌(島津日新公いろは歌)のゑ

薩摩いろは歌 島津日新公いろは歌 ゑの石碑

酔える世をさましもやらでさかづきに無明の酒をかさぬるは憂し

「深酒で酔った人が酔いを覚ますことなく、さらに盃を重ねていくように、混沌とした世の中で、先を見通すことなく、酔いを深めるような行為を重ねていくことは憂うべき状態である。」

深酒で酔いつぶれた人は、前後不覚となり、先の見通しなど考えずに、ただ盃を重ね、さらに酔いを深めていってしまいます。

同様に、混沌とした世の中にあっても、先の見通しをもって、対策を打っていかないと、混沌とした世の中がさらに混沌とし、混迷を深めてしまいます。

自分が泥酔していると、自分が泥酔していることを自覚できなくなります。

酔っ払いが、自分は酔っていないという場面には良く出くわします。

この状態では、自分は素面のつもりなので、正しい判断ができると勘違いしてしまいます。

そのため、もう限界を超えているのにさらに酒を飲んで状況を悪くすることがままあります。

しかし、酔いがさめ、昨夜の自分の行動を思い出すと、なんと愚かなことをしてしまったのだろうと反省します。

このように、混沌とした世の中においては、正しい判断が出来ず、誤った道を突き進んでいく危険性を孕んでいます。

このような混沌とした状況でこそ、状況を客観的に分析し、先の見通しを立てて対処する能力がリーダーには求められます。

このような能力は一朝一夕には備わりませんが、常に自分を客観的に見る習慣を続けることで、あらゆる場面で客観的判断を下せるようになるのだと考えています。

常に客観的な自分、世の中における自分を見られるように努力していきたいものです。