薩摩いろは歌(島津日新公いろは歌)のわ
私を捨てて君にし向はねばうらみも起り述懐もあり
「私を捨てて、君主に仕えなければ、うらみも起こり、不平不満も出る。」
一切の私心を捨てて、君主のために身を捧げるつもりで仕えなければ、君主や組織に対して恨む心や不平不満の心が出てきてしまうのです。
君主のため、組織のためと私心を捨て去れば、全てが公のためであり、皆のために働くので、恨み言や不平不満は出てこないはずであります。
似たような言葉に滅私奉公という言葉があります。
私を滅し、公のために身を奉る、滅私奉公は、この歌と同じ意味です。
何事も、自分自身のためだけに働くと、物事はうまく運びません。
自分自身のためではなく、世のため人のために働くと、自然と物事はうまく動き出します。
なぜなら、自分自身のために働いている人は、周りからの協力が得られません。
一方、世のため人のために働いている人のまわりには協力してくれる人が集まってきます。
私を捨てて、公のために働いていれば、いつしか、自分自身も幸せになっているものです。
中々難しい行いですが、常に心にとどめておきたい歌です。