薩摩いろは歌(島津日新公いろは歌)のら
楽も苦も時すぎぬれば跡もなし世に残る名をただ思ふべし
「楽しいことや苦しいことも時間がたてば何も残らない。ただ後世に名を残すことを考えよ」
楽しいこと、苦しいことなど、刹那的なことに一喜一憂するのではなく、長いスパンで物事を考え、後世の人たちにも良いと思われることを実行しなさいということを表していると思います。
ここでいう「世に残る名」とは、ただ単に名声を得るために頑張りなさいということを言っているのではなく、後の世の人から見ても正義を貫いた、あるいは誠を尽くしたといわれるように、正しく振る舞いなさいということであります。
とかく人は、目の前の事象にのみ目を奪われがちで、大局的判断を見失うことが多々あります。
しかし、もっと高い見地から物事を判断し、長いスパンで考えたときに何が正しいかを判断基準にして、行動することが重要です。
しかし、人間はその時々の楽しいこと、苦しいことで、思考が支配されやすく、容易には将来のことまで思いを馳せることが出来ません。
この歌に書かれていることを実行するためには、常日頃から正しい判断を行えるように訓練する必要があると思います。
これもまた、日々の努力が必要です。