薩摩いろは歌(島津日新公いろは歌)のこ
心こそ軍する身の命なれそろゆれば生き揃はねば死す
「戦いにおいては、兵士の心が勝敗を決する。皆の心が揃えば勝ち、生き残れるが、揃わなければ負けて、命を失うことになる。」
戦いにおいては、全員が心を一つにし、考え方を揃えることが重要であります。
例えば、大きな岩を動かす時に、皆が同じ方向に力を加えれば、大きな力となり、岩を動かすことができます。
しかし、皆がばらばらの方向に力を加えれば、力は分散するとともに、場合によっては相殺され、全体としては、小さな力しか加わらず、岩を動かすことはできないでしょう。
同様に、心も同じで、一つの目標に向かって、全員の心が揃えば大きな力となり、大事を成し遂げることが出来ます。
しかし、一人一人が自分の利益だけを考え、ばらばらの考えを持って事に当たれば、その仕事は決してうまくいきません。
もっとも顕著な例がスポーツだと思います。
野球やサッカーなどのチームプレーでは、選手一人一人が、共通の目標を持ち、一心不乱に練習を重ねるチームは良い結果を残せますが、自分のことを中心に考える選手の集まりは、いくら個人的に高い能力を持っていても、途中で挫折してしまいます。
大きなことを成し遂げるためには、一人の力ではできませんが、多くの人を集めただけでも成し遂げることはできません。
多くの有志を集めたうえで、皆の考え方を揃え、統一することが重要なのです。
ひとりひとりの力は小さくても、多くの人が心を一つにして発揮する力はとてつもないことを認識する必要があります。