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薩摩いろは歌(島津日新公いろは歌)のめ

薩摩いろは歌 島津日新公いろは歌 めの石碑

めぐりては我が身にこそは事へけれ先祖のまつり忠孝の道

「物事は何事も、巡り巡って自分に還ってくるものである。先祖を敬い祀り、忠孝の道を歩む人は、自分の子孫も自分のことを敬い祀ってくれるのである。」

この歌は、「情けは他人(ひと)のためならず」と同意の歌だと思います。

他人に情けをかけるのは、その人のためだけに情けをかけているのではなく、巡り巡って自分に還ってくる、すなわち、自分に情けをかけているのです。

先祖、祖父母、父母を尊敬し愛する人は、その背中を見て育った子供たちから尊敬され、愛されることになります。

逆に先祖、祖父母、父母を粗末に扱うような人は、同様に自分の子供たちから粗末な扱いを受けることになるでしょう。

この世の中は、自分の振る舞いが、巡り巡って、必ず自分のもとに還ってくるようにできているのです。

確かに、短いスパンで考えれば、自分の振る舞いが自分に還ってくることは実感できないでしょう。

しかし、長いスパンで考えれば、必ず自分に還ってくることが理解できます。

この考え方に則れば、誰かが見ていようが、見ていまいが、善い行いをし続ければ、必ず自分に善いことが起こるといえます。

この歌の背景には儒教の影響があると思いますが、祖先を含め、先人たちを敬う心は、後々自分を敬ってもらうことにつながると考えられます。